『星の王子さま』
タイトルを聞いたことのある方は多いと思います。
フランス人の飛行士であり小説家であるサン=テグジュペリの小説で、1943年にアメリカで出版されました。
200以上の国と地域の言葉に翻訳されて、世界中で販売部数1億5千万冊を超えたロングベストセラーです。
私は子供の頃から本を読むのが好きだったので、タイトルとイラストのかわいさに魅かれて何度か読んだことがあるのですが、『よくわからない・・・』という記憶しかありませんでした(笑)
今回改めて読んでみようと思ったのは、たまたまYoutubeで見つけたオリラジ・あっちゃんのチャンネルで、彼が熱く語っていたからです。
彼の解説にものすごく魅かれて、100回くらい聞いた末に購入しました。
そしてオトナになったいま読んでみたら、王子さまの言葉ひとつひとつが胸に刺さるのです。
今回は、そのなかでも特に私の胸に響いた王子さまのセリフをご紹介したいと思います。
星の王子さまってどんな物語?
『星の王子さま』っていうタイトルだけど、この本の主人公は王子さまではなくて、飛行機でサハラ砂漠に不時着した『ぼく』です。
その『ぼく』が不時着した翌日に目覚めると、王子さまみたいな恰好をした男の子が現れて『ぼく』に話しかけてきます。
この不思議な男の子は、どこからどんなふうにここへやって来たのか、なぜいまここにいるのか、『ぼく』は飛行機を修理しながら、彼の話を聞き続けます。
そう、この物語のほとんどは『ぼく』が王子さまから聞いている話です。
王子さまのとの会話の中で『ぼく』はいろいろなことを感じ、考えさせられます。
筆者が冒頭で書いている一節に、その想いが詰まっていますね。
大人 は 誰 でも 元 は 子供 だっ た
( その こと を 覚え て いる 人 は 少ない の だ けれど)
何百万もの星の中のたったひとつの星に咲く花を愛していたら、その人は星空を見るだけでしあわせになれる
王子さまは、大切に育てていたバラとケンカをしたことがきっかけでその星から旅立ってしまいました。
でも離れてみると、ひとりぼっちにさせてしまったバラのことが心配でしょうがないのです。
その心情を聞いてほしくて『ぼく』にいろいろ話しかけるのですが、飛行機を修理することで頭がいっぱいだった彼はどうでもいいような返答をしてしまいます。
その返答に怒った王子さまに『いま重要なことで頭がいっぱいだったから』と言い訳をすると、王子さまはさらに『ぼく』に怒りをぶつけて泣きはじめるのです。
ぼくの星には他の星では生えていない世界中でたった一輪の花があるけど、何にも知らないヒツジがある朝、パクっと食べてしまったらその花はなくなってしまうんだ。
なのに君は、そんなことは大事じゃないって言うの!
王子さまのいきどおりが伝わってきて、思わず一緒に号泣しちゃう一節。
目の前のことに必死になってばかりいると、大切なことが見えなくなってしまうのかもしれない。
でも、それでいいの?
大切なヒトのことを想うって、なによりも大切なことじゃない?
小麦は金色だから、おれは小麦を見るときみを思い出すようになる
これは、王子さまが地球で出会ったキツネのセリフです。
最初に出会ったとき、キツネにとって王子さまは他の何十万もの男の子と同じ存在でしかありません。
でも、会話をして友だちになって絆が深まると、かけがえのない存在になっていきます。
たとえお別れしても、金色の小麦畑を見るたびに金髪の王子さまのことを思い出すようになるのです。
一緒に過ごした時間の深さは、はかり知れないものになっていくのですね。
きみ が バラ の ため に 費やし た 時間 の 分 だけ、 バラ は きみ にとって 大事 な ん だ
こちらも、キツネのセリフ。
キツネから王子さまに伝えられる言葉のひとつひとつが、とても深いです。
王子さまは地球に来るまで、バラという花は世界中にひとつしかないと思っていました。
なので歩いている途中、バラ園でたくさんのバラに出会ったときにショックを受けます。
世界中でたったひとつのかけがえのない花だと思っていたバラが、実はたくさんある花だったということを知って悲しくなってしまうのです。
それをキツネに告白すると、キツネから『もう一度そのバラたちをよーく見てきてごらん』と言われて、再度バラ園に行ってみます。
そしてあらためて、自分の星にあったバラが世界にひとつしかない花だったと気づくのです。
きみたちはきれいさ。でも誰もきみたちのためには死ねない。
もちろん、通りすがりの人はぼくのバラを見て、きみたちと同じだと考えるだろう。
でも、あれはきみたちをぜんぶ合わせたよりもっと大事だ。
なぜって、ぼくが水をやったのは他ならぬあの花だから。
ついたてを立ててやったのはあの花だから。
毛虫を退治してやったのはあの花だから。
なぜって、あれがぼくの花だから。
ずっと一緒に過ごしていればケンカもするし、相手のことをイヤになっちゃうこともありますよね。
でも、そのヒトのことが大切だからこそ、時間をかけて一緒に時間を過ごしてきたのでしょう。
自分から距離を置いて連絡を絶っていたカレのことを考えていた私にとって、これはそうとう心に響きました・・・
砂漠が美しいのは、どこかにひとつ井戸を隠しているからだよ
水を求め、ふたりで井戸を探しながら歩いているときに王子さまが言った言葉。
喉がカラカラに乾いて、疲れ切って座り込んでしまった王子さまが『砂漠がきれいだ・・・』とつぶやきます。
何も見えない、聞こえない静寂のなかで『ぼく』が光を感じ始めたときに、王子さまから『砂漠が美しいのは、どこかにひとつ井戸を隠しているからだよ』と言われて、その光の秘密が明らかになったように感じます。
水は心にもいいんだよ。
星がきれいなのは、見えないけれどどこかに花が1本あるからなんだ。
『ぼく』がこんなにも王子さまに心を揺さぶられるのは、彼の心の中にあるバラが彼を照らし続けているからだと思ったのです。
大切なことは、目に見えない
この物語の中で幾度となく出てくる言葉で、最初はキツネが王子さまに言ったセリフです。
ただの通りすがりだった人が親友となるまでに費やした時間、愛する人(バラ)とともに過ごした時間、美しい人や美しいものに秘められた理由。
そういったことは目に見えませんよね。
その、目に見えない部分を見つめられるようになることが、大切なことなんだと気づかせてくれる言葉です。
もの は 心 で 見る。 肝心 な こと は 目 では 見え ない。
心で探さなくちゃダメなのさ
王子さまはキツネから言われたことを『ぼく』に伝え、『ぼく』はその言葉の意味が、時間をかけて心にしみていきます。
私たちも、目には見えないたいせつなものを感じ取る感性を、失ってはいないでしょうか?
さいごに
いかがでしょうか?
自分の心情に照らし合わせてみたら、恋愛感情にかたよってしまいました。。。(笑)
でも、この物語に出てくるバラは、サン・テグチュペリの奥さんのことを書いたものだという解説もあります。
今回あらためてこの物語を読んだ私は、心の奥にしまい込んでいたヒトがとても大切な存在だと気づかされて、行動することができました。
私と同じように自分の心に蓋をして感情をしまい込み、がんばって見ないようにしているあなたが、その感情に素直に向き合うことができたらいいなと思ってご紹介させていただきました。
目じゃなくて心で見ると、大切なものがあなたもきっと見えてきますよ**♡**
ねこが教えてくれる『人生において大切なこと』はこちらから♥↓↓↓
最後に、私が今回『星の王子さま』を読むきっかけとなったYoutubeチャンネルはこちらです♪**
わかりやすい解説をしてくれたオリラジ・あっちゃんにも感謝♥
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